旭川校安藤キャンパス長に「旭川校×SDGs」をテーマにお話を伺いました!
「旭川校×SDGs」
―旭川校におけるSDGsとの関連性についてお聞かせください
SDGsには17の目標があり、幅広い分野にわたっています。「目標4:質の高い教育をみんなに」はもちろん直結する分野ですが、実は全ての目標が教育に結びついていると考えています。全ての目標を実現していくのは「人」であり、その人を育てるのが「教育」だからです。ですから、教科に関係なく、全ての学生に持続可能な社会への関心と意識を持ってもらいたいですね。
―そのために取り組んでいることはありますか。
旭川校では学生が主体となって活動する機会を大切にしています。一年生から全ての学生が希望するゼミに所属し、週に一度ゼミの時間があるという珍しい慣習が旭川校の大きな特徴です。ゼミ長が中心となりゼミの内容など一年間の計画を立て、自主性を持って活動しています。
旭川がある上川地区は大きな管内なので、様々な地域からの要請を受けて地域課題解決のために学生を派遣する形のプロジェクトもあります。浜頓別では子どもたちに対して夏休みの学習支援を行っています。また「道北おとぼけキャラバン」という出前授業や出張演奏する面白い取り組みもあります。様々な地域に出向き、トロンボーンを目の前で聞かせたり、留学生も一緒になってモンゴルの民族楽器を演奏したり、まさに学生が主体となって地域貢献に結びついた活動をしています。
学生ボランティアの活動も活発です。旭川市教育委員会や北海道教育委育会からの要請で、学校現場の要望に対して学生を派遣するものです。専属で教育実践コーディネーターを雇用し、学生ボランティアの希望とマッチングさせて、放課後の学習支援や補修、部活動やスキー授業の手伝いなど、実践的な経験をすることができる取り組みも行っています。毎年多くの学生がボランティア活動に参加してくれていてとても嬉しく思っています。
―こうした一つひとつの取り組みが持続可能な社会づくりにつながっていくのですね。
そう思いますね。私自身もいろいろな活動に関わっています。例えば、襟裳岬近くのアポイ岳で昆虫の調査をしていて、「ヒメチャマダラセセリ」というそこにしか棲息しない天然記念物の蝶の絶滅を防ぐ活動をしています。1973年に発見されたときは500匹くらいいたのですが、環境が悪化し、現在50匹くらいにまで減ってしまいました。これはなんとかしなければいけないと、チョウ類保全協会と一緒になって、文化庁の許可を得てメスの蝶を捕獲し、人工採卵して大学で飼育しています。たくさん蛹にさせて山に返すというプロジェクトです。そして、この蝶に関する調査をまとめて、今度附属中学校で授業をします。この話を聞いた子どもたちが興味を持ち、この分野に関わろうとしてくれる子が出てきてくれたら、きっと良い連鎖が生まれます。興味をもった事に一生懸命になる事で、その分野で世の中に貢献できる人間が育ちます。持続可能な世の中にしていく取り組みとはこういうことからではないかと感じています。
教育というのは「希望」だと思っています。将来に対する希望です。持続可能な世の中を実現するためにも、先生が希望をもっていないと教育はできません。学生たちが希望をもって先生という職業に向かっていけるようこれからも支援していきます。