SDGs COLUMN北海道教育大学SDGs

「やさしい日本語」の推進

  • 8.働きがいも経済成長も
  • 10.人や国の不平等をなくそう
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

 「やさしい日本語」は、1995年1月の阪神・淡路大震災で、必要な情報を得られなかった外国人がいたことから注目され始め、研究が盛んに行われるようになりました。


 2024年1月の能登半島地震の発生時には、NHKのニュース画面に英語による情報にアクセスできるQRコードが表示されていました。

 また、画面の注意喚起には “Evacuate!” といった英語や、「津波(つなみ)、逃げて(にげて)」のような振り仮名がついたやさしい日本語が表示され、ニュースのアナウンサーもやさしい日本語で「あきらめないでください」「はやく 高いところに 逃げてください」と、「命を守る呼びかけ」をしていました。


 多言語やAI翻訳とともに、やさしい日本語を活用することで、より多くの多様な人々との円滑なコミュニケーションが可能になります。やさしい日本語は、今では、防災・減災に加えて、教育、観光、生活、就労、介護等、様々な場面で活用されています。


 函館校の「日本語教育法Ⅰ」では、日本語を初めて学ぶ人に日本語を教える方法を、模擬授業をとおして学んでいます。この模擬授業でもやさしい日本語を実際に使う体験をしています。

 令和4年度には「はこだて防災マルシェ2022」にて、やさしい日本語を用いた防災コンテンツを紹介しました。


 令和5年度の地域プロジェクトの一つとして実施した「やさしい日本語で函館紹介プロジェクト」では、まず、やさしい日本語に関する歴史や基礎知識を学んだ後、具体的な書き換えの練習を行いました。
 その後、南北海道の文化財ウェブページに掲載され、函館市内にも設置されている観光案内板の解説文を、やさしい日本語へ書き換える活動をしました。観光案内板の日本語には歴史や建築にかかわる難解な日本語が多く、学生の皆さんは、函館の歴史を学びながら話し合いを重ね、やさしい日本語での表現方法について検討しました。
 後期は作成したやさしい日本語による函館紹介文を使いながら、地域で日本語を学ぶ留学生とやさしい日本語で交流しました。

防災教育への活用を目指した「やさしい日本語」書き換えプロジェクトの様子
プレゼンテーションの様子
書き換えの練習の様子
留学生との交流
留学生との交流